加工後の写真:爪楊枝直径2㎜ 彫刻文字高さ1㎜ 位置補正:カメラによる位置決め
Podeaシリーズには、旧機種も含め後付け可能な超小型のカメラモジュールを搭載しています。
採用されているのは500万画素カメラ。PCへの負荷が少なく、コストと精度のバランスが非常に良い実用的な構成です。
高画素=高精度と思われがちですが、精密な位置合わせに重要なのは画素数ではなく、レンズの歪み補正。
この補正を行わなければ、1mm以下の精度は出せません。
Podeaでは、歪み特性を前提とした補正処理により、限られた画素数でも安定した高精度位置合わせを実現しています。
レーザー加工機では、広範囲を撮影できる
広角カメラが使われます。
そのため、得られる画像は図1のように大きく歪んでいます。
通常はOpenCVなどで歪み補正を行いますが、これはあくまで汎用的な補正。
レーザー加工に必要な高精度(1mm未満)には不十分なこともあります。
そのため、歪みの少ない画面中央を基準に位置合わせするのが一般的です。
図1 カメラから得られる歪んだ画像イメージ
Podeaがこれまでカメラを搭載してこなかったのは、従来の歪み補正では実用に足る精度が出せなかったためです。
“使えない機能は載せない”という方針のもと、あえて採用を見送ってきました。
しかし、あるきっかけから独自の補正アイデアを実装したところ、非常に良好な結果が得られ、正式採用に至りました。
その結果、Podeaのカメラ機能は、中央だけでなく画面全体で高い位置精度を実現しています。
今回は、Podeaのカメラ性能を検証するために、爪楊枝を使った加工テストを行いました。
特に、一般的に精度が出にくいとされる画面の四隅での加工に挑戦しています。
使用したソフトは、PodeaにバンドルされているInkscape 1.4
レーザー加工機と接続後、Podeaエクステンション内の「カメラキャプチャ」機能
を使って、撮影画像を取り込みました。